第23回日本がん免疫学会総会

会長挨拶

第23回日本がん免疫学会総会
会長 宇高 恵子
(高知大学医学部免疫学 教授)

 この度、第23回 日本がん免疫学会総会会長を拝命し、平成31年8月21日(水曜日)~8月23日(金曜日)、高知市文化プラザ かるぽーとにおきまして、第23回総会を開催させて頂くこととなりました。謹んでご挨拶申し上げると共に、皆様にはご指導・ご協力を賜りますよう、宜しくお願い申し上げます。
 2018年は、免疫チェックポイント阻害抗体製剤を開発された本庶佑、J.P. Allisonの両博士がノーベル賞を受賞され、悪性腫瘍に対する免疫療法が社会からも注目される記念すべき年となりました。臨床の場では、治療の手ごたえが実感される一方、効果の乏しい症例も多く、また、自己免疫反応による副作用にも当面して、免疫療法の開発はまだまだ黎明期にあることが再認識されています。悪性腫瘍に対する免疫反応は、エフェクターとなる細胞や抗体が次々と同定され、それらが腫瘍細胞を正常の細胞から見分ける標的抗原の同定も加速度を増しています。しかし、特にT細胞をはじめとする細胞性免疫においては、エフェクターと腫瘍細胞が出会い、攻撃的な反応が起きるためには、抗原提示細胞をはじめとする様々な細胞や分子が時間的、空間的に適切に出会い、活性化する“反応の場”ができなければ、十分な抗腫瘍活性は惹起されません。本年の総会では、単なるエフェクターや抗原の同定に留まらず、それらが腫瘍組織という環境において、刻刻に変化する状況に応じてどのように出会い、どのようなハードルを乗り越えて腫瘍細胞を攻撃するに至るのか、免疫反応を、腫瘍組織という反応の場を意識しながら考えていきたいと思います。
 多数の演題のご応募と、多くの皆様のご参加を心よりお待ち申し上げます。

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